【行政書士・補助金コンサル必読】採択率を劇的に上げる!新事業進出ものづくり補助金「経営戦略との整合性」で5点満点を勝ち取る記述の極意②

新事業への進出や画期的な設備投資を目指す中小企業経営者の皆様、そしてその申請を全力で支援する行政書士や士業のコンサルタントの先生方、日々の業務お疲れ様です。株式会社Result代表取締役、中小企業診断士・認定経営革新等支援機関の佐藤勇樹です。

令和8年6月29日、最大9,000万円という圧倒的な支援規模を誇る「令和8年度 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(第1回公募)」の公募要領(1.0版)が発表されました。公募期間は【令和8年6月29日(月)~ 令和8年9月30日(水)18:00厳守】となっており、すでに採択を狙う事業者様と支援者様の間で熱い闘いが始まっています。

なぜ今、このブログで「事業の実現可能性」を特集するのか。それは、前回の連載で解説した「経営戦略との整合性」が計画書の強固な「背骨」であるならば、今回特集する「③ 事業の実現可能性(20点満点)」は、その計画を実行するための「筋肉と血管(ヒト・モノ・カネ)」の裏付けそのものだからです。いくら背骨が美しくても、血が通わず筋肉のない計画書は、審査員(中小企業診断士)から「絵に描いた餅」と見なされ、容赦なく1点評価(不採択)を下されてしまいます。

私はこれまで、認定支援機関として中小企業様の補助金申請支援で調達総額9億円以上、融資を含めると11億円以上の公的資金調達を現場の最前線で手掛けてきました。また、行政書士や税理士、中小企業診断士の先生方向けに主催している「補助金コンサルタント養成講座」の受講生は70名を超え、セミナー参加者は200名を突破しています。この9億超の採択実績のなかで培ってきた「審査員をうならせ、確実に採択をもぎ取るロジック」を、本記事で余すことなく公開します。

今回の新ものづくり補助金は、賃上げ目標が未達だった場合の「補助金返還義務」や、代表者自身による「15分間のオンライン口頭審査(面接)」など、実務的なルールが過去最高レベルに厳罰化されています。ただ綺麗に文章を書くだけの「書類代行」から脱皮し、金融機関対応からマーケティング、財務シミュレーションまでを完璧に伴走する「本物の経営コンサルタント」としての記述法をマスターし、確実な採択(5点満点)を掴み取りましょう。

1. 審査員(診断士)の採点基準をハックせよ!実現可能性の配点構造

事業計画書の実現可能性を執筆する上で、まず「有識者審査員がどのような配点比率でスコアを付けているのか」という採点ロジックをハックする必要があります。

本補助金の書面審査を担当するメインの審査員は、国の登録を受けた経営コンサルタント資格者である「中小企業診断士」たちです。通常、1つの申請案件に対して3名程度の審査員が個別に採点を行い、その平均点が合格ラインである「7割以上(70点以上)」に達しているかによって合否が決定されます。

書面審査(80点分)の大項目のうち、今回のテーマである「③ 事業の実現可能性」には20点満点の配点が割り当てられています。そして公募要領を確認すると、この実現可能性の中には「5つの具体的な評価項目」が明記されています。

📊 審査員の頭の中にある「配点シート」の逆算

有識者審査員は、この20点満点を5つの項目で等分し、【 20点 ÷ 5項目 = 1項目あたり4点(5段階評価:1点・3点・5点)】として採点を行っていると考えられます。すべての項目で「一応書いてはある」という並みレベルの3点止まりだと、3点×5=15点(得点率60%)となり、他の審査項目が良くても不採択が確実になります。確実に合格ラインを突破するには、すべての小項目において「非の打ち所がない客観的エビデンス」を提示し、5点満点を積み上げる必要があります。

2. 評価ポイント①:計画数値の「連続性・整合性」と厳しい賃上げルール

最初の評価項目は、事業計画に並ぶあらゆる数値計画の妥当性と、過去の実績からの合理的な連続性です。

【公募要領の審査項目より】
付加価値額や賃上げの目標値が、過去の経営実績や各種経営指標との連続性・整合性を保ちつつ、実現可能性の高い計画として策定されているか。※基準値を上回る高い目標値を設定した場合、その「高さの度合い」と「実現可能性」の双方が評価されます。

審査員(診断士)はここで、「この計画数値は、補助金が欲しいからと適当に盛った数字ではないか?」と、極めて冷徹な目で既存事業の決算推移と見比べています。たとえば、過去3年間の売上推移がほぼ横ばい(1,000万円前後)で推移している企業が、新規事業を始めた瞬間に「1年目で売上5,000万円、3年目で1億円になります」と書いた場合、その急激な成長曲線を描ける合理的なアクションプランと投資対効果の裏付けがない限り、「連続性も整合性もない絵に描いた餅(1点評価)」と判定されます。

◆ 5点満点をもぎ取る「数値設計」2つのアプローチ

  • 1. 「付加価値額」の構成要素を個別に算出根拠付け:
    付加価値額は【営業利益 + 人件費 + 減価償却費】で構成されます。売上原価や販管費の推移から「営業利益(※営業外損益を挟む経常利益ではありません)」をシミュレーションし、今回導入する設備(減価償却費)と採用計画(人件費)を個別の積算根拠とともに一本の線で連動させてください。
  • 2. 「採用・人件費」の現実的な採用ルートの提示:
    「新規事業のために、これまで従業員2名だった会社が急に20名採用する」という急激な計画も、採用費の計上や具体的な求人チャネル(提携媒体、紹介会社等)の確保が明記されていない限り、実現不可能とみなされます。無理のない現実的な採用・配置計画であることが必須です。

⚠️ 避けては通れない!厳格な「数値要件」と「返還ペナルティ」

本補助金には、以下の非常に厳しい基本数値要件と、未達時の「補助金返還義務(ペナルティ)」が定められています。支援者である行政書士の先生方は、このルールをクライアントに完璧に説明し、同意を得ておく責任があります。

① 付加価値額要件(基本):事業計画期間中、付加価値額が「年平均成長率(CAGR)4.0%以上」増加すること。
② 一人当たり給与支給総額要件(基本):「年平均成長率3.5%以上」増加の表明・達成、および事業場内最低賃金を都道府県別最低賃金より「+30円以上」に維持すること。
③ 賃上げ特例(上限引上げ枠):給与支給総額を「年平均+6.0%以上」増加、事業場内最低賃金を「地域別最低賃金+50円以上」に引き上げること。

※返還の計算式:
補助金返還額 = 補助金交付額 ×(1 -(最終年度の実際の給与支給総額年平均成長率(%)/ 目標値(%)))
もし、実際の成長率がゼロまたはマイナス(横ばいや減給)であった場合は、例外なく【補助金全額返還】という恐ろしい処分が下されます。

💡 融資・補助金のプロ診断士が教える:賃金台帳「一人当たり給与支給総額」計算の落とし穴

人件費計画の妥当性を審査員に証明する際、実際の「給与明細(賃金台帳)」の構造を熟知しているかどうかが、プロの支援機関としての信頼性(E-E-A-T)の分かれ目となります。

たとえば、弊社がご支援したクライアントである車田由佳様の給与明細データ(みずほ信託銀行、社員番号02406895)を実例に解説します。車田様の賃金推移を確認すると、2025年7月度より基本給が274,500円から287,500円へと「月額13,000円(約4.7%)」の昇給実績が確認できます。この基本給アップは、補助金の「年平均3.5%以上の賃上げ要件」を余裕でクリアする極めて強力なエビデンスとなります。

しかし、補助金要件である「一人当たり給与支給総額」を会社全体で算定する際、「非課税通勤手当(月額69,580円など)」や「残業手当(時間外手当)」、「賞与(ボーナス)」、法定福利費は計算から完全に除外しなければならないという、実務上の厳格な計算の境界線が存在します。これを混同し、給与明細の「総支給額(353,611円等)」をベースに杜撰な人件費計画を立てて申請すると、最終実績報告の監査で「未達」と判定され、数百万円の返還ペナルティをクライアントに負わせる致命的なトラブル(訴訟リスク)を引き起こします。計画数値の策定は、必ず一次情報を正確に検算できる専門家と共に行うべきです。

3. 評価ポイント②:遂行体制(人材・事務処理能力)と「丸投げの排除」

2つ目の評価項目は、投資した設備や新規事業を、誰がどのように動かすのかという「遂行体制」の実効性です。

【公募要領の審査項目より】
補助事業を適切に遂行できる体制(人材、事務処理能力等)が確保されており、第三者に過度に依存(丸投げ)していないか。

審査で落とされる残念な事業計画書では、体制図に「経理:佐藤、営業:田中」と名前と役割が書いてあるだけです。これでは審査員は「事務処理能力があるかどうかが不明」として3点すら付けられません。

5点満点を獲得するためには、その担当者の「事務処理能力」と「専門性」を裏付ける、以下のような客観的ファクト(ファクトベース体制図)を明記する必要があります。

💡 審査員が5点をつける、遂行担当者の詳細プロフィール例
  • 経理・事務担当(佐藤氏):「他社メーカーで20年以上の財務経理実務を経験し、簿記2級を所持。補助金の厳格な帳票(見積書、発注書、銀行振込控)の証憑管理や金融機関対応、実績報告業務を遅滞なく遂行できる高い事務処理能力を保有している。」
  • 新規事業・営業担当(田中氏):「同業界における営業実務10年のキャリアを持ち、前職ではトップセールスとして新規開拓実績を多数保有。本事業で進出する新規顧客開拓を最短で軌道に乗せる専門スキルを有している。」

⚠️ 「丸投げ」は即日一発不採択・交付決定取消!

近年、高額な成功報酬を目的とした悪質なコンサル会社によるトラブルが多発しているため、公募要領では外部への依存を極めて厳しく禁止しています。

・事業計画書の作成自体を外部コンサルに丸投げすることは厳禁であり、代理作成が発覚した場合は不採択・採択取消・交付決定取消の厳しい処分が下されます。
・GビズIDのIDとパスワードをコンサルに教えて申請を任せる「代理申請」も完全に禁止されています。同一のパソコン・同一IPアドレスから複数の異なる事業者の申請が検知された場合、事前の警告なしに不採択となります。

では、自社にノウハウがない新規事業(たとえば、ラーメン店を経営する会社が、新事業進出枠でお寿司店を始める等)の場合、どのように「丸投げではない主体的な体制」をアピールすればよいのでしょうか。

その解決策は、「既存の自社リソース(強み・ノウハウ)と、新規事業の掛け算(シナジー)」を描くことです。単に「有名な寿司職人を外部から雇って、その人に調理も仕入れも店舗運営も丸投げする」と書くのではなく、以下のように自社の主体性をアピールしてください。

「当社はラーメン店として長年培ってきた『煮干しや昆布からの出汁の低温抽出技術』において絶対的なノウハウがある。この独自の出汁抽出ノウハウを、お寿司店で提供する『出汁ジュレ』や汁物、シャリの合わせ酢に応用し、他店に真似できない競争優位性を構築する。また、既存店で培った『エリアマーケティング集客ノウハウ』や『不動産物件獲得スキル』をそのまま活用し、自社主体でローコストかつ確実に店舗展開を遂行できる強固な体制を整えている。」

このように、事業の中核(コア)には必ず自社の持つ既存の技術や強みがあり、新規事業のコントロールシップは100%自社が握っているというストーリーを完璧に構築することが、5点満点獲得のための鉄則です。

4. 評価ポイント③:ペルソナ級のターゲット設定、マーケットインの顧客ニーズ、差別化

3つ目の評価項目は、新規事業が「本当に売れるのか」という客観的な顧客ターゲット設定と、マーケットインのマーケティング戦略です。

【公募要領の審査項目より】
顧客ターゲットの明確性、顧客ニーズの裏付け、競合と比較して自社製品・サービスが「選ばれる理由」が整理されているか。

ここが、多くの行政書士の先生方が計画書を作成する際に、最も具体性が不足しがちな「減点地雷ポイント」です。5点を獲得するための3つの攻略法を伝授します。

① 顧客ターゲットは「ペルソナ級」に具体化する

ターゲットを「30代女性」「高齢者」「近隣の住民」と書くのは絶対にやめてください。抽象的すぎて審査員は3点すら付けられません。「東京都葛飾区亀有エリアに居住する、30代共働き夫婦で、小学生以下の子供が2人いる、週末に家族で地元の美味しいオーガニックスイーツを楽しみたいと考えているファミリー層(世帯年収600万円~800万円)」など、ターゲットの顔、家族構成、経済状況、行動パターンまで見えているレベル(ペルソナ)まで落とし込んで記述します。

② 顧客ニーズの「裏付け」は「一次データ(生の顧客の声)」が命!

自己中心的な「作りたいものを売る(プロダクトアウト)」ではなく、「市場が求めているものを売る(マーケットイン)」の証明が必要です。インターネットから拾ってきた「○○市場は拡大傾向にある」といった二次データ(統計データ)を並べるだけでは不十分です。

【5点満点の記述実例:葛飾区亀有でのクレープ店進出の例】
「新規進出予定の亀有駅前において、ターゲット層であるファミリー層30名に対して、独自の街頭アンケート調査(一次データ)を実施。その結果、『子供に安心して食べさせられる、無添加の原材料にこだわったスイーツ店が駅近くにない』という具体的な回答が全体の80%を占めた。さらに、近隣の人気から揚げ専門店の利用客から『から揚げなどの塩気のあるものを食べた後に、すぐ近くで冷たくて甘いものを買って帰りたいが、手軽な持ち帰り店がない』という非常にリアルな生の声(一次データ)を20名から獲得。このリアルな需要に基づき、今回の無添加クレープ事業を企画した。」

③ 競合と比較して「選ばれる理由(差別化・KFS)」

競合の弱みと、自社の持つSWOT分析(強み・機会)をぶつけ合わせ、自社が勝てる重要成功要因(KFS)を明確にします。「同じクレープ店でも、原宿の店舗は10代向けの写真映え重視で高単価。しかし、私たちが亀有で展開するクレープ店は、ファミリー向けに『無添加・オーガニック素材』を徹底し、子供の健康を第一に考える親御さんから選ばれる明確なポジション(3C分析)を築き、日常使いしやすい価格帯と持ち帰り専用パッケージで差別化する」など、競合と比較した競争優位性をロジカルに証明します。

💡 中小企業診断士のウラ技:オープンデータ「RESAS」の活用
公募要領でも、進出先業界の動向や地域人口・人流データを調べるために、国のオープンデータプラットフォーム「RESAS(地域経済分析システム)」の活用が推奨されています。RESASから得た客観的な人流データや産業動態をグラフとして計画書に盛り込むと、診断士である審査員の評価スコアが跳ね上がります。

5. 評価ポイント④:中長期の課題・スケジュール・グローバル枠対策

4つ目の評価項目は、事業化に向けた現実的な「工程表(スケジュール)」と、中長期の販売フェーズで直面する「課題解決のロードマップ」です。

【公募要領の審査項目より】
中長期の課題を検証し、事業化に至るスケジュールや解決方法が妥当か。(※グローバル枠では、輸出先特有のリスクや法規制、商習慣の違いの把握も求められます)

① 実効性の高い事業化スケジュール(ガントチャート)

「採択されたら、すぐに機械を導入して事業を開始します」という1行だけの記述では、工程の妥当性は判断できません。補助事業実施期間(交付決定から14か月以内などの期限厳守、事前着手は原則禁止)内における、発注、納入、検収、支払いのステップを月単位で明確に設計しなければなりません。

主要な工程・マイルストーン 1〜2ヶ月目 3〜4ヶ月目 5〜8ヶ月目 9〜12ヶ月目 13〜14ヶ月目
機械装置の発注・導入・検収 選定・発注 納入・検収
試作開発・レシピ/オペレーション構築 原材料仕入 試作・テスト
店舗改修工事・建物整備(3社相見積済) 着工・施工 引渡・検査
販促HP制作(売上5%内)・広告宣伝 HP構築 ポスティング
スタッフ採用・研修・プレオープン 採用・研修 開店(実績報告)

② 「なぜなぜ分析」による、中長期課題のロジカルな解決策

「課題は人手不足です。ハローワークで募集して解決します」といった、テンプレートをコピペしたような薄っぺらい課題記述は一瞬で減点対象になります。自社のビジネスモデル特有の課題を「なぜなぜ分析」で深掘りし、実効性の高い投資計画として紐づけてください。

【5点満点を獲得する、なぜなぜ分析と投資の連動ストーリー】
中長期の特定課題:新規事業(無添加クレープ)において、保存料を一切使用しないことによる「賞味期限の短さ(品質劣化)」と、それに伴う「多額の廃棄ロスの発生」が収益を圧迫する中長期的な経営課題となる。
なぜ発生するのか:化学保存料や添加物を一切排除したオーガニック生地や生クリームを使用するため、従来のクレープよりも雑菌繁殖や生地の離水スピードが極めて早いため。
補助事業(解決策)の実効性:今回の補助事業で導入する「急速冷凍ショックフリーザー」を用い、仕込み直後に生地を急速冷凍保管する高度な衛生管理体制を構築。これにより、無添加の品質(強み)を100%維持しながら廃棄ロスを極限まで抑制する。また、過去の曜日・天候別来店データを元にした「AI販売予測システム」を導入し、在庫回転率を極限まで高める管理体制を敷く。

③ グローバル枠の突破を目指す場合の必須戦略

グローバル枠(海外市場開拓、国内の輸出体制強化)で申請を行う場合は、以下の記述がなければ実現可能性評価で致命的な減点を喰らいます。
・輸出先の国・地域における特有の「文化、法規制(食品におけるハラール認証や食品輸入規制等)、商習慣、カントリーリスク」を十分にリサーチし、その具体的な把握状況と回避策を記述すること。
・取引先主導の受託輸出(丸投げ輸出)ではなく、自社主導の「自発的な海外市場開拓」であることを証明すること。
・国の「新規輸出1万者支援プログラム」「日本の食輸出1万者支援プログラム」の登録証やポータルサイトの登録控えを添付し、確実に加点措置を受けること。

6. 評価ポイント⑤:資金調達見込みと、健全な財務状況(融資連携)

最後の5つ目の評価項目は、最も現実的な「カネ(資金繰り)」の調達力と、既存事業の財務の健全性です。

【公募要領の審査項目より】
資金調達見込みを含む財務状況が十分に確保されているか。※過去の経営実績や各種経営指標との連続性・整合性が確保されており、事業計画との間に無理や乖離が生じていないかについても審査します。

⚠️ 補助金は「完全後払い」!立替資金調達と支払の絶対ルール

補助金は、すべての事業を完了させ、実績報告を行い、事務局の厳しい確定検査(実地検査等)を経て初めて後払いで支払われます。つまり、実施期間中の数千万円にのぼる設備購入費や工事代金は、事業者が事前に全額を資金調達(立替払い)しなければなりません。

さらに、すべての経費の支払いは「銀行振込の通帳実績」でしか認められません。現金支払い、手形決済、PayPay等の電子決済、相殺処理等は1円たりとも補助対象外となります。この立替資金(自己資金または銀行融資)を確実に確保できなければ、採択されても事業自体が頓挫します。

審査員(診断士)は、この資金調達の裏付けを以下の「2つの冷徹な視点」から厳しくチェックしています。

◆(1) 融資を併用する場合は「金融機関による確認書」が必須!

自己資金のみで立替払いが賄えない場合、金融機関からの融資見込みが絶対条件となります。公募要領上、金融機関からの借入を前提として計画を立てる場合は、申請時に「金融機関による確認書(融資内諾含む)」の添付が必須要件(不提出は即要件不備で落選)となっています。金融機関と早期に膝を突き合わせて交渉し、確認書の発行を取り付けられるかどうかが、プロのコンサルタントとしての腕の見せ所です。

◆(2) 赤字一発逆転を狙う「ゾンビ計画」は落とされる

財務状況の審査において、本業が完全に債務超過に陥り、連続赤字で破綻寸前の事業者が「この最大9,000万円の補助金を使って、新規事業で一発逆転の奇跡を起こします」というストーリーを描いても、ほぼ100%落とされます。なぜなら、調達した資金や補助金が既存事業の赤字の穴埋めに流用(補填)されてしまい、新規事業に資金が回らないリスクや、実施期間中の倒産リスクが極めて高いと判断されるからです。

実現可能性の「5点満点」を獲得する鉄板の財務ストーリーは、「既存事業の経営基盤が極めて安定しており、強固なキャッシュフロー(カネの強み)があるからこそ、その安定基盤を背景に新規事業への大胆な投資と経営資源の投下を適切に遂行できる」という論理展開です。本業が傷んでいる場合は、金融機関からの「伴走支援による経営改善計画」と完全に連動させ、財務改善の具体的な裏付けをセットで提示しなければなりません。

まとめ:行政書士の先生方が「本物の経営コンサルタント」へ脱皮するために

いかがでしたでしょうか。新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の審査項目「③ 事業の実現可能性(20点満点)」は、数値計画の連続性、遂行体制のファクト化、ペルソナ級のマーケティング、ガントチャート工程表、そして銀行融資と連動した資金調達計画に至るまで、経営の4大資源「ヒト・モノ・カネ・情報」のすべてが密接に絡み合った、極めてロジカルな評価項目です。

これらすべての項目で「5点満点」を積み上げるためには、ただクライアントの言ったことを右から左へ綺麗に文章化するだけの「作文・書類作成代行(ただの代筆業者)」では絶対に不可能です。

  • 体制(ヒト):経営者から独自のコアコンピタンス(無形資産の強み)を深くヒアリングし、新規事業との完璧なシナジー(掛け算)を言語化する。
  • ニーズ(情報):街頭アンケートや見込み客への直接インタビューといった「一次データの収集(生の顧客の声)」を主体的に主導・実行させる。
  • 財務(カネ):金融機関へ早期にアプローチし、事業計画の「金融機関による確認書」の発行手続きや、つなぎ融資(ブリッジローン)の手配を完璧にサポートする。

先生自身が、国から認められた「認定支援機関」としてプロジェクトを圧倒的なリーダーシップで牽引し、クライアントの中長期的な経営戦略を共創する。これこそが、ものづくり補助金で【採択率100%】を叩き出し、顧客から「先生のおかげで命が救われた」と深く感謝され、高額な成功報酬を勝ち取る本物の経営コンサルタントへの脱皮方法なのです。

⚠️ 申請前に絶対に完了させるべき「2大事前準備」
第1回公募の申請締切は令和8年9月30日(水)18:00厳守ですが、直前になってダッシュしても絶対に間に合わない手続きが存在します。
GビズIDプライムアカウントの取得:電子申請「Jグランツ」の必須アカウント。発行までに通常1週間〜2週間程度を要します。
「一般事業主行動計画」の策定と公表:補助金申請時に公表証明書等の添付が求められます。厚生労働省の「両立支援のひろば」等へ登録・掲載するまでに1〜2週間以上の期間が必要です。今すぐクライアントの準備状況を確認し、最優先で動き出してください!

【受講生70名突破】行政書士の先生が「融資・補助金」のスターコンサルタントへ変革する、株式会社Resultの養成講座

「融資11億円・補助金9億円超の調達ロジックを体系的にマスターしたい」「クライアントの銀行借入や事前着手の実務を完璧にコントロールしたい」とお悩みの行政書士、中小企業診断士、税理士の先生方へ。
私、佐藤勇樹がこれまで蓄積してきた「金融機関を100%味方につける交渉ノウハウ」や「一発採択をもぎ取るための記述ロジック」をゼロからすべてお伝えする「補助金・融資コンサルタント養成講座」を開催しています。まずは初回個別相談・セミナー説明会へお気軽にお申し込みください。

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関連情報・出典参考リンク集

本記事で解説した「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(第1回公募)」に関する公式資料および執筆者の出演メディアは以下のリンクより正確にご確認いただけます。

■ 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 公式ポータルサイト
■ 公式公募要領(1.0版)ダウンロード
■ 執筆者公式SNS・出演メディア

最終更新日:2026年7月5日 | 執筆・監修:株式会社Result 代表取締役 佐藤勇樹(中小企業診断士・認定経営革新等支援機関、公式X:@yuki_resultceo

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この記事を書いた人

佐藤勇樹のアバター 佐藤勇樹 中小企業診断士

偏差値30以下の最底辺都立高校に通っていたが勉強を始めてから約半年で、まさかの中小企業診断士の1次試験に「一発合格」学内最年少、出身大学初の「中小企業診断士」の資格を取得。
大学卒業後、中小企業診断士の資格が功を奏し、大手上場企業の大塚商会に就職。その企業を3年務めたあと、コンサルタントとして夢の独立を果たすも、稼げずに挫折する。
そんな時に「補助金コンサルタント」に出会い、ノウハウを徹底研究、知識ゼロからたった3 年で採択額9 億円、年商7,000 万円になる。
そして、補助金コンサルタントのスキルを体系化した「補助金コンサルタント養成講座」を構築。
その講座を、メンバーに受講してもらったことで、誰でも補助金コンサルティングをできる様になり、年収1,000 万円を稼ぐメンバーが続出。
今では引き続き企業の補助金支援をしながら、「補助金コンサル養成トレーナー」として、稼げる士業の育成を行っている。